猫伝染性腹膜炎(FIP)
危険度:★★★★☆
治りやすさ:★★★☆☆
わかりやすさ:★☆☆☆☆
病状
乾性型(非滲出型):食欲不振、体重減少の他に、腎臓、肝臓、腸、神経(運動失調)、目(ブドウ膜炎・脈絡網膜炎)にさまざま症状有り。腹水は溜まらない。
湿性型(滲出型):漏出液が、胸腔、腹腔、心膜腔といった体内のあらゆる隙間に貯留、腹部が膨らむ、呼吸困難、このタイプが多い。
治療法
猫伝染性腹膜炎ウイルスを根絶する薬剤は開発されていない。よって現れた症状が悪化しないようにする対症療法がメインとなる。
湿性型で腹水や胸水がたまっているときは、注射針を用いて水を抜く。
しかしこのタイプは予後が悪く、多くは数日〜数ヶ月の内に命を落としてしまうというのが現状。
予防法
猫の免疫力を落とさない様にワクチン接種、血液検査、ストレスの原因となるような環境を改善する。
FIPVへの感染が疑われる猫がいる場合、感染猫と他の猫が接点を持たないよう隔離する。
感染猫が母猫の場合は、移行免疫が切れる前の生後4週齢頃を目安に、子猫を母親から隔離する。
猫伝染性腹膜炎(FIP)とは
猫伝染性腹膜炎とは、コロナウイルスの一種である猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)によって引き起こされる一連の症状を指す。
猫伝染性腹膜炎ウイルスは自然界には存在せず、多くの猫が保有している猫腸コロナウイルス(FECV)という病原性に乏しいウイルスが、ある時、猫の体内で突然変異して出現する。
FECVを保有した猫の内、猫伝染性腹膜炎を発症するものは10%以下と推計されているが、致死率が高い。
発見が遅れた場合、死に至る可能性が非常に高い。
乾性型の場合は発見が困難で、湿性型の場合は致死率が高い。
有用なワクチンや治療法が確立されていないので、事前予防が重要。免疫力を低下させないように注意する。
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